手紙。

錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)

錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)

好きなイラストレーターさんが読んだと書いていたので。
別れた元夫婦が10年の時を経て始めた手紙のやりとり、書簡形式の小説です。
出だしの
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」
で打ちのめされました。
推理小説以外でやられたなぁと思った本は初めてでした。
過去に向けられたままの姿勢が、いつの間にか未来へ向かっているのにはゾクゾクしました。
メールで簡単簡潔に人と繋がりが持てる今だからこそ、もっと多くの人に読んでもらいたい本だなと思います。